まだまだ暑い日が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか?視能訓練士の前田です。

 

突然ですが、皆さんは弱視という言葉を聞いたことがありますか?

弱視とはメガネやコンタクト等で矯正しても1.0の視力が見えない状態”を指します。

 

アジアにおける弱視の割合は1.8%で50人に1人の子供が弱視と言われています。

 

 

弱視はいくつかに分類されます

①屈折異常弱視

両眼性のもので、両眼の度数が+4.00D以上の遠視、または強度乱視(経線弱視)によるもの

強い屈折異常があることでピントが合わず弱視になる

 

 

②不同視弱視

片眼性のもので、不同視(左右の度数)差が2.0D以上、片眼(弱視眼)の度数が+2.0D以上の遠視によるもの

見えにくい眼が弱視になる

 

③微小斜視弱視

片眼性のもので、ごくわずかな斜視(微少斜視)と不同視を伴う

大まかの立体視はあり

 

④斜視弱視

片眼性のもので、恒常性斜視(基本的には内斜視)によるもの

斜視の方の眼を使わないことで弱視になる

 

 

⑤形態覚遮断弱視

片眼性のもの(稀に両眼性もあり)

 

・長期間の眼帯

・先天眼瞼下垂

・角膜の混濁

・先天白内障

・先天緑内障

・網膜芽細胞腫

などが原因でおこる

 

目に十分な光が入らないことで弱視になる

 

 

両眼性眼瞼下垂より片眼性眼瞼下垂の方が弱視にはなりやすい

 

 

 

【それではなぜ弱視の早期発見と治療が必要なのでしょうか?】

 

 

 

 

出生時の視力はほとんど見えませんが、3~4歳くらいまでには急速に発達し、6〜8歳頃には完成します。(視力発達の感受性期)

この時期にくっきり見ることで視力が成熟するのです。

ですが弱視の場合は、この時期に視力の発達が停止してしまいます。

 

視力の発達にはタイムリミットがあり、弱視の治療は6~8歳頃の視覚感受性期までに行う必要があると言われています。

感受性期を過ぎてしまうと視力の回復が難しくなってしまいます。

そのため、早期発見がとても重要となりますので、3歳児健診や眼科精密検査を怠ってはいけません。

 

 

 

実際に3歳児健診や異常を指摘された後の眼科精密検査の受診を下記の理由で先延ばししてしまう方も少なくありません。

 

・普段見えていない様子がないから大丈夫だろう

・眼鏡を掛ければすぐに見えるだろうという勘違い

・眼鏡を掛けさせるのは可哀想だ

・もう少し大人になってから行けば良いだろう

 

弱視は片眼発症が8割程度で片眼はよく見えるため、ほとんどが全く不自由を感じません。

そのため本人は見えにくさを自覚せず、保護者も気づきにくいことが多いです。

 

 

日常で以下のようなことはありませんか❔弱視のサインかも・・・

 

☑眼を細めて見る。

片方の眼で見ようとし、片目を隠すと嫌がる。

☑頭を傾ける。☑横目でみる。☑上目づかいで見る。☑顎を上げて見る。

☑視線がずれる。(特にぼーっとしているときや眠いとき)

☑眩しそうにする。

☑瞬きが多い。

 

 

 

早期発見するためにも、まずは3歳児健診の受診はとても大切になってきますので、必ず受けるようにしましょう。

 

 

弱視と診断された場合、適切な時期に適切な治療を行えば視力回復につながります。ご不安なこともあるかと思いますが、

できる限りサポートさせていただきますので、気になることなどありましたら眼科の受診をしましょう。

 

 

しんかい眼科クリニック